こんにちは!
あざみ野・新百合ヶ丘・たまプラーザの学習塾/予備校のMySTEP(マイステップ)です!
今回は高校数学の勉強法(part4)についてお伝えします!
前回の記事はこちら
前回までの記事では、ステップ1の学習法と注意点、そして、ステップ1の知識(基礎例題)を組み合わせて、ステップ2(重要例題)を解くプロセスを青チャートを用いて紹介しました!
今回は、
ステップ1レベルの基礎問題精講の知識を結集させ、
ステップ2レベルの標準問題精講の問題を解く例を紹介します!
基礎問題精講から選んだ例5、例6、例7を組み合わせて、
標準問題精講の例8を解くという流れになります。実際にテキストを見ながら読んでみてください!
【キーワードを意識したステップ1の問題演習方法】
例5基礎問題精講数学Ⅱ 13
不等式の証明 (3)(ⅰ)(ⅱ)
問題
解説
キーワードは「右辺が数字の不等式の証明=相加平均・相乗平均」です。
不等式の証明は非常にパターンが多くてマスターするのが大変です。
しかし、証明すべき不等式の形に注目すると、手順が少しずつ明らかになります。
青チャートの場合は「指針」でしたが、
基礎問題精講では「精講」という部分にキーワードが書かれています。
「精講」の部分をしっかりと読み込んで、あらゆるパターンの不等式の証明にも対応できるようにしましょう。
余談ですが、そもそも相加平均というのは私たちが普段使っている平均と何も変わりません。
データを全て足して、その値をデータの個数で割れば相加平均は求められます。
一方で相乗平均はなかなか理解しづらいですよね。
データの個数が2個の場合はそれらを掛けてルートをつけたものが相乗平均になります。
では、データが3個の場合はどうなるでしょうか?
答えは「3つのデータを掛けて3乗根をつける」です。
同様に4つのデータの相乗平均でしたら「4つのデータを掛けて4乗根をつける」ことで相乗平均は計算できます。
日常生活ではあまり使いませんが、例えば経済の成長率や投資の現場ではよく使われるツールの1つです。
「平均」といっても足して割るだけではないので注意しましょう。
例6 基礎問題精講数学Ⅱ 58
直線の傾きとtangent 例題
今度は三角関数になります。
tangentがカギになる問題ですね。
単位円上に点をとったときに、sin はy座標を,cos はx座標を、そしてtanは原点からの傾きを表します。
例6のキーワードはずばり、
「直線の傾き=タンジェント」です。
問題で、①直線の傾き,②その直線のx軸とのなす角、が登場した場合はかなり高い確率でtan の出番になります。
そもそも、直線の傾きは1つ前の単元、図形と方程式で詳しく習うのですが、このtangentと直線の傾きをからめた問題は本当によく出題されます。
授業中も、「ここで使うのかぁ(悔)」という嘆き声を多くの生徒から聞きました。
また「タンジェントが直線の傾きを表している」という知識は数学Ⅰの三角比でも実は習っています。
一度、度数法で習い、さらに弧度法でも習うため、いかにも大事そうですよね。
模試などで後悔しないためにも是非覚えておいてください!
tangentと直線の傾きは大事な関係にあります!
例6では二直線のなす角をθとしてtanθの値を求めています。
tangent の加法定理を用いて計算を行っているので確認しておきましょう。
もう1つ大事なキーワードは「2直線のなす角=tangentの加法定理」です。
「直線の傾き=tangent」は数学Ⅰの範囲のキーワードなので、数学Ⅱまで学習した方は加法定理のキーワードも覚えておきましょう!
例7基礎問題精講数学Ⅱ 85
接線(Ⅰ) 例題
今度は微分になります。
高校数学の一番の難所といってもいいでしょう。
そもそも微分とは何を求めるためにあるものでしょうか?
ざっくりいうとそれは「接線の傾きを求める」ためにあるものです。
そこから少し派生してグラフの増減、さらには概形までを求めることができます。
微分を習う前は2次関数までしかグラフをかくことができませんが、微分を習うことで3次関数、さらには4次関数のグラフをかけるようになります。
そこで今回のキーワードは
「微分=接線の傾き」です。
ちなみに積分を用いると様々な図形の面積を求められるようになります。
「積分=面積」というキーワードも覚えておきましょう。
解説にもかいてありますが、微分の使い方は以下のようになります。
グラフの接線の傾きを求めたい
→グラフの関数を微分する
→接点におけるx座標を微分した式に代入する
という流れで目当ての傾きを導くことができるわけです。
数学Ⅱの微分は計算自体はそこまで複雑ではありませんので、練習すればみなさんできるようになると思います。
理系で数学Ⅲまで学習することを考えている人は要注意です!
数学Ⅲの微分は計算自体がものすごく時間のかかる作業になります。
数学Ⅱの微分をマスターしても、それが高校数学のゴールではないので気を付けてください。
【ステップ1のキーワードを使用したステップ2の問題演習方法】
それではステップ1の例5、例6、例7で学んだ知識(キーワード)を組み合わせて、ステップ2教材の標準問題精講から抜き出した例8を解いてみましょう。
例8 標準問題精講数学Ⅱ 98
2接線のなす角(1)(2) 例題+解説
(1)
問題文読んでみますといきなり接線がでてきていますね。
さっそくステップ1の例7で学んだ知識を使いましょう。微分した式に接点のx座標を代入したら接線の傾きが求まりました。
今回は接線の傾きが、
さらに
を通るので、そこから接線の方程式を求めることができます。
次にQの座標を求めます。
二式を連立することでQの座標を求められます。
3次式の因数分解には数学Ⅱの1章で学習する因数定理を使っています。
まだ習っていない方はそちらも確認しておいてください。
そして、Qにおける接線の傾きが問題になっているので再びステップ1の例7で学んだ知識を使いmの接線の傾きを計算しています。
次は、2直線のなす角をθとしているので、ステップ1で学んだ例6のキーワードを思い出してください。
「2直線のなす角=tangentの加法定理」でしたね。
直線と直線mの傾きがでているので、tangentの加法定理を用いてを求めることができます。
これが(1)の答えです。
(2)
θは鋭角なのでθが最大になるときにtanθの値も最大になるはずです。
なので「θが最大になる=tanθが最大になる」と問題文を読みかえて(1)の結果を使いましょう。
ステップ1の例5で学んだ知識を用いて、tanθの最大値を求めていきます。
ここでみなさんに知っておいてほしいことは、相加平均相乗平均の関係は不等式の証明以外にも使い道があるということです。
今回の問のように最大値・最小値を求める時にも使うことができる、非常に頼もしいパートナーなのです。
は(1)の答えの分母・分子をで割るために必要な確認です。
より、相加平均相乗平均の関係を使えます。
ただしそのまま使うのではなく逆数を取り、
という関係をここでは使っています。
相加平均相乗平均の関係を使うことでtanθの最大値を使うことができました。
ここまでで、tanθの最大値は求まりました。
問題ではその最大値を取るときのaの値も求めるようにいっているので、相加平均相乗平均の関係を使ったときの等号成立条件を用いてaの値を求めています。
例8の一番難しい点はなんといっても相加平均相乗平均の関係をそのままの形で使わないところでしょう。
逆数を取って使うなんて発想いきなりは思いつかないですよね。
ステップ2の段階でこういった予想外の発想を用いる問題に触れることで、似た問題がでてきたときに解けるようになるといいですね。
【解ける人の思考回路プロセス】
それでは数学ができる人はどのようなプロセスでステップ1の知識を組み合わせてステップ2の問題に取り組んでいるのでしょうか?
一言でいうと、数学が得意な人は「問題を区切る」ということを自然と行っています。一見、長い問題でも短くいくつかの部分に分けていけば、それぞれの部分はステップ1の知識である場合が多いのです。
ステップ2のレベルになかなか対応できない人は問題を全体的に見すぎてしまって、何から手をつければよいか分からないという状況に陥ってしまいます。
国語の文法を思い出してください。
中学1年生の最初の文法で文節に分ける、あるいは単語に分けることを学習します。
なぜ文節・単語に分けるかというと日本文の構成を詳しく知るためです。
数学もまさにこれなんです!
難しい、長い問題文こそ細かく区切っていきます。
例8でみると
「接線」という言葉に反応して「微分」という発想に至り、
「2直線のなす角」という言葉に反応して「tangentの加法定理を用いる」
という感じです。
問題は難しくなればなるほど、解くために複数の単元を必要とします。
問題を分け、問題文の言葉1つ1つに反応して、どの単元のどの知識(キーワード)を使えばよいのか自分で判断できるようになりましょう!
それともう1つ。
数学ができる人は、まず手を止めません。
数学において一番やってはいけないのは固まることです。
受験の会場で前の人の手が止まっていたらみなさんほっとしませんか?
数学は考えて解く科目であり、他の科目と比べて試験時間内に書く量がかなり多いという特徴があります。
どのキーワードを使ってよいのか分からないときは片っ端から可能性を全て試していきましょう。
「日頃から手を動かすことを意識しておく」と、少しずつ無駄な思考や鉛筆を動かす時間が減り、答えまでの到達時間がかなり短くなるはずです。
以上!
基礎問題精講と標準問題精講を用い、ステップ1・2の演習方法を紹介しました!
次回は、大学受験 数学の勉強法part5として
ステップ3の勉強法を紹介します!
お楽しみに!
大学受験 数学の勉強法part5はこちら