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2019年度 神奈川県公立高校入試 問題分析

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こんにちは!

あざみ野・新百合ヶ丘・たまプラーザの学習塾/予備校の

MySTEP(マイステップ)です!

いよいよ、約1か月後に2020年度神奈川県公立高校入試が迫っています。

今回は、2019年度神奈川県公立高校入試の問題分析をご紹介します!

3年生は、約1か月後に迫った入試の参考に、1・2年生は、神奈川県の入試傾向を知り、今後の勉強に活かしていきましょう!

 

 

英語

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全体を通して

問題構成や大問ごとの配点、出題形式は昨年から変わらず、総合的にバランスよく出題されています。

読解問題の総語数は、昨年より3割ほど増加して約1760語となったため、時間内に処理する能力が求められました。

そのため、昨年より平均点は下がりましたが、英語の得意不得意によって、得点に大きく差がつく出題内容となっていました。

 

大設問ごとの出題傾向と難度

問1

一部の問題で放送分が4割ほど増加して約160語となったため、より正確な理解力が求められました。

昨年から引き続き出題された英文を聞き取りながら空欄の数値を埋め込む問題や聞き取った内容に合った単語を書き取る問題は、難度は高くありませんでした。 

問2

対話文の文脈を読み取ることが難しい問題も増え、単語そのものを思いつけなかった受検生も多かったようです。

問3

例年は基本的な知識を問う出題が多かったのですが、2019年度入試では、より正確な知識が求められました。

文脈中で単語を活用できる学習が不可欠でした。

問4

英語の文構造と、語法や品詞の正確な理解が、昨年以上に求められました。 

問5

昨年度と同様に難度の高い問題でした。

質問に対する案内者の回答と条件として示された3語とを手がかりに、場面をイメージする力が必要でした。

問6

身近な問題を題材とした理解しやすい内容でした。

重要文法が多用された複雑な1文を正確に理解する力や、本文を資料と対照しながら読み取る、情報処理の能力が必要でした。

問7

英文と表を照合し、必要な条件を整理しながら、正しい手順を踏んでいくことで正解にたどり着ける問題です。

作業を通して課題を解決する力が求められました。

問8

昨年より総語数が約200語も増えたため、速さと正確さを伴った読解力が必要とされました。

また、発言の主体と内容を正しく読み取って整理していく論理的思考力も求められました。

防災地図の作成を通して防災意識を高めていく、興味深い内容でした。

 

2020年度入試へ向けて

以下の4点を意識した学習を継続的に行いましょう。

学校教科書の基礎的な文法知識と本文の完全習得を土台にして、さらに内容を言い換えた表現を数多く身につけること。

➁英文と資料から共通点や相違点をつかんで、必要な条件を素早く正確に読み取る情報処理能力を鍛えること。

多様なテーマの英文を読んで内容を理解すること、自分の考えを英文で表現すること。

➃神奈川県の過去問題に加え、他県の入試問題演習を通して、実戦的な学力を身につけること。

 

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数学

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全体を通して

大問は例年と同様に7問構成でしたが、配点や出題形式、難度において変化が見られました

配点においては、問1の計算と問5の確率を除くすべての大問で、難度に比例するように後半の設問の配点が高く設定されていました。

昨年から難度の高い設問がマークシート解答形式から記述解答形式に変更されましたが、2019年度もその傾向が続いています。

問3以降に難度の高い出題が増えたため、得点差のつきにくい出題内容になりました。

 

大設問ごとの出題傾向と難度

問1、問2

昨年と同様に、基本的な計算・方程式から7問、中3の学習単元を中心に幅広い基礎学力を問う問題が4問、計11問出題されていました。

難度や設問数については昨年と同じですが、配点は39点から37点と2点減少しました。

また、初めて標本調査からの出題がありました。

問3

中3で学習する平面図形の単元から2問、中1で学習する方程式の文章題から1問出題されました。

平面図形の問題は、昨年と同様に難度の高い問題で、与えられた条件を的確に把握し、補助線を書き加えられるかが正解へのカギになる設問でした。

方程式の文章題の問題は、1問目を正しく記述できなければ、2問目の答えが合っていても得点にはならないというもので、解いていく過程を重視する意図がうかがえる出題でした。

問4

設問3題のうち、(ア)(イ)は典型的な問題でしたが、(ウ)は解法手順や計算の複雑さから考えて極めて難度の高い出題でした。

問5

出題パターンは典型的なものでしたが、短時間で条件を理解して、効率よく作業する練習を積んでおくことが必要不可欠な問題でした。

問6

(ア)(イ)は典型的な問題でしたが、(ウ)では、立体の表面を通る折れ線の最短の長さを求める問題が出題されました。

複数の視点を必要とする、極めて難度の高い設問でした。

問7

(ア)はマークシート解答形式が2題へと変更になりました。

昨年は記述解答形式が2問で、配点も計6点でしたが、今年は完答で2点に減少しました。

三平方の定理と2次方程式、相似な図形といった複数単元を用いて解いていく問題で、極めて難度の高い設問でした。

 

2020年度入試へ向けて

2019年度は、平面図形の問題や問4以降の各大問の最終問題が難化しました。

これらに対応するためには、図形を軸として、複数の単元が融合された問題に対する経験値を上げることが必要不可欠です。

自分で解いた問題について、ヒントや条件の使い方を見直し、解法手順をしっかりと理解していくことが重要です。

また、日ごろから答えを出すことだけでなく、答えを求める過程も大切にし、しっかり記述できるようにしておくことが重要です。

一方で、計算力・基礎学力を問う設問や、オーソドックスな問題も数多く出題されています。

この部分で失点しないためにも、教科書や学校ワークの問題をしっかり解けるようにトレーニングしておくことが大切です。

その上で、単元が融合された問題や、作業力・思考力を要する問題に数多くふれ、解法スキルを身につけましょう

 

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国語

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全体を通して

大問の構成、全体の出題数、各設問の出題形式などは昨年と同じでした。

また、全体の文章量も昨年とほぼ同じ約7700字で、50分の試験時間で十分に解ききることができる量でした。

しかし、配点の約8割を占める記号選択式問題では、例年よりも紛らわしい選択肢が増えました

そのため、平均点が昨年よりも下がっています。

的確に文章を読み取り、丁寧に選択肢と照合する力や、条件に従って記述する力が求められました。

 

大設問ごとの出題傾向と難度

問一

一部に日常生活で中学3年生のほとんどが使わないような難度の高い出題がありました。

問二

『実語教童子教諺解』からの出題でした。標準的な難度の出題です。

問三

原田マハの『たゆたえども沈まず』からの出題でした。

選択肢に紛らわしいものがあり、根拠の特定に迷う問題や、作品全体をとらえる定番の問題などが出題されました。

問四

堀内進之介の『人工知能時代を〈善く生きる〉技術』からの出題です。

「AI」がテーマになっており、現代社会と関連のある内容でした。

難度は標準的でしたが、(エ)のように選択肢の文言が抽象的なため、取り組みづらい問題も出題されました。

問五

リサイクルの現状と課題をテーマにした、対話文と資料を関連づけた文章でした。

 

2020年度入試へ向けて

漢字は、意味をふまえた上で、熟語の形で覚えるように心がけましょう。

小説文や古文では、人物の行動やせりふ、思考や心情の表現を根拠に解くことが大切です。

論説文では、言葉の意味をふまえて選択肢と本文を丁寧に照合し、文脈を筋道立ててたどって段落の要点をとらえることや、文章中に正解の根拠を見出す論理的な思考トレーニンが効果的です。

資料を含む対話文では、条件に応じて必要な情報を読み取り、資料の内容を根拠にして答えるべき事柄を適切にまとめるトレーニンが不可欠です。

 

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理科

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全体を通して

分野別の問題配列や配点は例年どおりで、小問数も昨年と同じ28題でした。

数値や短文で解答する形式の出題数も昨年と同じで、完答形式の問題が1問減ったこと以外は、形式的な変化はほとんどありませんでした

出題を学年別に分けると、中学2年の内容からが41点を占め、やや多くなっていました。

ただし、これは傾向変化ではなく、年ごとの出題周期によるものです。

数年間を平均すると、各学年の学習内容はほぼ均等に出題されています。

今年は全体が大きく易化しました。

過去3年間、合格者平均(県発表)は40点台半ばで推移していましたが、2019年度は60点を超えました。

主な要因としては、高度な計算や情報処理を必要とする問題が大幅に減ったこと確信が持てなくても正解の選択肢を選びやすい出題が増えたこと基本的な知識を問う問題が増えたことが挙げられます。

 

大設問ごとの出題傾向と難度

問1~問4

物理・化学・生物・地学の4つの分野ごとの単問集合になっています。

基礎的な知識から出発して順序だてて考えることで正解を求める、おおよそ標準的な難度の問題で構成されています。

問5

浮力に関する問題でした。

図と表を読み取って正しく計算する力が求められる問題などが出題されました。

問6

鉄と硫黄の化学反応について、事件の手順を説明した長い文を読み取りながら考える問題でした。

問7

だ液のはたらきに関する対照実験の問題でした。

語彙力を含めた文章読解力も求められる問題が出題されました。

問8

太陽の南中高度に関する問題でした。

教科書内容の知識の活用に主眼が置かれた出題になっていました。

 

2020年度入試へ向けて

神奈川県の理科に必要な学力の要素としては、知識の量と正確さ、読解力、作業力と計算力、論理的思考力、原理·原則に立ち戻って考える力などがあげられます。

今年は大幅に易化したため、教科書の内容をもとにした、学習の成果が現れやすい出題となりました。

ただし、基本知識から情報処理力や論理的思考力などの応用力まで、幅広い学力を問うという傾向は変わりませんでした。

来年も今年と同じ難度であるとは限らないので、2016~2018年度の難度も想定した学習を積んでおくべきでしょう。

過去の出題傾向をふまえ、実戦的な問題演習を十分に積めば、難度が元にもどっても、高得点は可能です。

一方で、基本を問う問題の割合が増えているため、重要用語や公式などの基礎を固め、基本の取りこぼしを防ぐことも大切です。

また、科学的な思考力を高めるために、ふだんから身近な科学的事象に関心を持つことを意識しましょう。

 

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社会

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全体を通して

分野ごとの出題順序は例年どおりでした。

各分野の配点にも変更はなく、地理分野の配点は各35点、公民分野は30点でした。

この配点は、中学校3年聞で各分野に配当された時聞数とー致しています。

設問総数は34題で、昨年から2題減りましたが、完答形式が2題増えたので、実質的には昨年とほぼ同数でした。

今年度も文章記述形式の出題は1題で6点でしたが、文字数の指定はわずか6字になりました。

記号選択形式の配点は85点で、昨年と同じです。

昨年は平成以降で最も低い平均点になりましたが、2019年度もほぼ同等の難度でした。

選択肢の作りこみの厳しさ、新傾向の出題、参照する資料が多く煩雑である点などが、間題全体を難しくしています。

 

大設問ごとの出題傾向と難度

問1

定番の時差の問題は、計算問題ではなく「日付変更線を東から西一越える場合」の日付の変更の仕方を問う問題でした。

「東から西ヘ越える」で混乱した受験生が多く、正答率は低めでした。

グラフから「割合」が大きいのはどちらの国なのかなどを選ぶ問題が出題されました。

「数値」ではなく、「割合」であることを見落とす受験生が多かったようです。

問2

「割合」の変化を読み取る問題が出題されており、ここでも「割合」であることを見落とすミスだったようです。

問3

(オ)は、勘合質易での日本の輸出入品の組み合わせを選ぶ問題でした。

輸入品が「銅銭」だと知っていても、輸出品がわからず、幕末から明治時代にさかんに輸出された「生米」を選ぶ受験生が目立ちました。

記述の問題は、わずか6字の記述問題ですが、空欄の前後と整合させることが難しかったようです。

問4

(エ)は2つの史料に設けられた4つの空欄に当てはまる、会議と国の組み合わせを選ぶ問題でした。

(オ)(Ⅰ)はサンフランシスコ平和条約締結時の内閣臣(姓のみ)を書き、かつ同時期の日本の出来事を選ぶ問題でした。いずれかー方でのミスが目立ちました。

問5

(イ)(五)は刑事事件における被疑者の人権保障に関する間題で、検察審査会の構成員の選出方法が難しかったようです。

教科書では取り上げられていますが、受験生はあまり意識していない知識でした。

(ウ)は、日本の歳入と歳出のグラフに示された租税収入·公債金収入と社会保障関係費·公共事業費·国債費から、公使金収入と国債費の組み合わせを選ぶ問題でした。

推移を記憶しているかではなく、財政の状償金収入と国債費の性質ヘの理解と、グラフの推移から判断する力を問う出題でした。

問6

(ア)(Ⅰ)はドルとユーロの為替相場の変動について、その原因と結果·影響の組み合わせを選ぶ問題でした

為替相場が質易に与える影響は入試の定番ですがで原因について理解していないと正解できませんでした。

 

2020年度入試へ向けて

近年の神奈川県の入試では、基礎·基本的な知譏だけでなく、それを正しく理解しておくこと、また、それらを用いながら、複数の情報を編集する力や、論理的に考えて判断する力が求められています。

言い換えれば、様々な社会的課題を解決するために必要な「知識の活用力」が問われているのです。

教科で学習する用語を暗記することも大切ですが、原理·原則の理解に努め、さらに多くの発展問題に触れて、応用力を身に着けておきましよう

 

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最後に

いかがでしたか?

今回、お伝えしたかったのは、日ごろの勉強の中でいかに入試本番を意識して勉強できるかどうかということです。

定期テストの勉強をする際も、目先の点数や成績だけではなく、「この知識をどう生かしていくのか」「なぜこの答えになるのか」を意識して勉強することで、入試対策に入ったときに抵抗なく学習を進めることができます。

中学1・2年生の皆さんには、ぜひ、参考にしていただきたいと思います!