こんにちは!MySTEPです! 今回は
2020年大学入試改革から考える「今すべき勉強」とは!?
をお伝えします!
2020年の大学入試改革
大学受験の象徴である「センター試験」が2019年度の実施を最後に廃止されます。代わりに、新テストが実施されます。新テストは大きく分けて2つあり、2019年度から「高校生のための学びの基礎診断」、2020年度から現在のセンター試験に代わる「大学入学共通テスト」が実施される予定です。
新テストの導入にあたって、「知識・技能」だけでなく、大学入学段階で求められる「思考力・判断力・表現力」を中心に評価するという考えがあります。
一般に「思考力・判断力・表現力」を中心に評価する問題を多く出題すると記述問題が多くなり、テストの難易度は上がる傾向にありますので、現在のセンター試験と比較すると難易度の高い問題の出題が考えられます。
さらに、大学受験の変化に伴って高校受験も変化していくことが予想されます。高校受験の変化に対応するためには、まさに「今」の勉強法を変える必要があります。
新テストってどんなもの・・・?
まずは、実際に新テストがどのようなものなのか、数学・国語を例に見ていきましょう。これらは大学入試センターが発表した「大学入学共通テスト」のモデル問題・プレテストです。
資料1
資料2
大学入試センターHPより
資料1は、平成29年7月に発表されたモデル問題です。ただ数学の知識・技能を問う問題ではなく、架空の新聞記事をもとに、銅像が最もよく見える位置を考察・説明する問題になっています。
資料2は、平成29年度に行われたプレテストの問題です。問題に対して、ただ答えを出すだけでなく、解法の見つけ方や考え方などの過程に注目し、答えを導き出す問題になっています。
どちらの問題も正しい答えを出すだけでなく、答えを出すまでにどう考えるか、持っている知識をどう活用するかを考えさせたり説明させたりする問題となっています。
これらは、平成29年7月に発表されたモデル問題です。
これまでの問題のような説明的文章(説明文)・文学的文章(物語文)についての設問に答える問題ではなく、架空の行政機関が作成した資料や表を正確に読み取る力や問題で指定された条件・目的に合わせて表現(説明)する力を問う問題になっています。
国語も数学と同様に、設問に対して正しい答えを出すだけでなく、日常生活を題材に資料等を正しく読み取り、知識をどのように活用し、答えを導き出すかを問う問題が出題されています。
つまり、学んだ知識を自分の生活と結び付け、活用し、問題を解決していく力、すなわち「思考力・判断力・表現力」が、新テストでは求められているのです。
ここで大切なのは、大学入試が変化すると高校入試も変化するということです。これは、学校教育の中に以下のような流れが生まれるからです。
まず、大学入試が変わると、高校は、生徒がより多くの大学に進学できるよう、新テストに対応したカリキュラムを作成します。すると教育委員会(中学校)も、高校のカリキュラムに合わせて高校入試の問題を作成します。
さらに、高校入試の傾向が変わると、中学校や教科書会社は、高校入試の傾向に合わせて学校の授業や教科書を構成します。そして、学校の定期テストが変わります。
これからのテストはどう変わるのか・・・?
これからの定期テストでも、「思考力・判断力・表現力」を問う問題が増えることが予想されます。この先の高校入試や大学入試は、中学校・高校までの授業で幅広い学力や資質・能力がどれだけ身についたかを測るテストになっていきます。学校授業の中でも、自分自身で考え、友だちと話し合い、きちんと文章を書く、そういった繰り返しが行われ、入試に役立つ力となっていきます。
実際に最近の定期テストでは以下のような問題が出題されています。
こちらは、すすき野中学校1年数学の問題です。ある問いに対して、解法の手順を考える問題です。新テストであるプレテストにも類似していることがわかります。
※ブログでは著作権の関係上全てを表示していません。
こちらも、すすき野中学校1年数学の問題です。この問題では、ただ答えを出すだけではなく、なぜその答えになったのかを説明することが求められています。
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このように、公立中学校の定期テストでも「思考力・判断力・表現力」を問う問題が少しずつ増えている傾向にあります。
「思考力・判断力・表現力」をつけるためには・・・?
では、「思考力・判断力・表現力」を身につけるためには、普段どのような勉強をすればよいのでしょうか。まずは、以下の2つのことを実践してください。
①なぜ間違えたのか(正解したのか)を考える
②(数学であれば)途中式を書く(他教科であれば)なぜその答えになったのかをメモする
ここで大切なのは、正しい答えを出すことではなく、常に「なぜ」と考えることです。例えば、円の面積を求める公式を学習したとき、「どうして半径をかけるのだろう」「どうして3.14を使うのだろう」と、常にどうしてそうなったのかを考えられるかどうかが、カギとなります。
実践に生かすならば、丸つけを実施したあと、「なぜ間違えたのか、あるいは、なぜ正解したのか」を考えます。「なぜ」と考えることにより、自分の解き方の手順を振り返ったり、修正することができます。また、数学の問題で「途中式を書く」ことは、間違えたときになぜ間違えたかを発見・修正するためでもあり、さらに、自分が作った式がどのような過程でできたのかを説明するためでもあります。もちろん、計算ミスをせずに、自分の解き方を確実に説明できるのであれば、途中式を書かなくてもいい場合もありますが、慣れるまでは書いた方がよいでしょう。
以上の2点を実施することにより、すすき野中学校1年数学の問題のように式の説明を求められる問題に対応することができます。つまり、「どうしてそうなったのか」を考えることで、学んだ知識についての「理解」ができ、「説明する」力が身につくということになります。
ただ、「なぜ」と考えたり、説明する学習を1人で実践するのは難しいかもしれません。塾に通っている人はここでぜひ、授業を有効活用していただきたいのです。まずは宿題を実施する際に
① なぜ間違えたのか(正解したのか)を考える
② (数学であれば)途中式を書く
(他教科であれば)なぜその答えになったのかをメモする
を実施し、自分では解決できない、何度解いても間違えてしまうということが起きたら、次の授業で必ず先生に質問してください。宿題は、疑問点を解決するために存在していると言っても過言ではありません。
今まで、「宿題なんて解けばいいだけ、解き直しはいらない」「なぜ間違えたか考えなくても次は正解するから大丈夫」「全問暗算で計算できるのに途中式なんているの?」などと考えて実施してこなかったみなさん。
これからのテストや入試に立ち向かっていくだけではそれでは到底ついていくことはできません。
今こそ、学習法を改善するチャンスなのです。「思考力・判断力・表現力」を身につけて、これからの定期テストに立ち向かいましょう!