こんにちは!
あざみ野・新百合ヶ丘・たまプラーザの学習塾/予備校の
MySTEP(マイステップ)です!
今回は塾生から
「古典文法嫌い!」
「なんでこんなの勉強しなきゃいけないの?」
「単語わかればなんとなく読めるんじゃないの?」
と質問があったので答えてみました!
はい、どうぞ!
問 次の文の訳として当てはまるものを選びなさい。
はなやかなりしあたりも人住まぬ野らとなり、変はらぬ住家はひとあらたまりぬ。
ア
風景のきれいだったところも、家々が建ち、人の住む場所になり、変わらず住み続けられている。
イ
賑やかに栄えていたところも、人の住まない場所になったが、家々には変わらず人が住んでいる。
ウ
賑やかに栄えていたところも、人の住まない場所になり、変わらない家々も住む人は変わった。
エ
風景のきれいだったところも、ただの野原になったが、家々はすっかりきれいになった。
さあ、どうですか。選べましたか?
答えは、ウ です。
なぜ?と思う人もいるでしょう。
この文章には、たくさんの「ぬ」が出てきますね。
単語だけを追って訳してしまう(文法を無視する)と・・・
はなやかするあたりも人の住まない野らとなり、
変わらない住処はひとあらたまらない。
というような訳になりますが、意味わからないですね・・・。
はなやかなりしあたりも人a住まぬ野らとなり、
b変はらぬ住家はひとcあらたまりぬ。
実は、この「ぬ」、大きく分けて、意味が2つあるんです!
① 打ち消し
② 完了
の2つです。
簡単に言うと、「した」か「しなかった」か、ということなんですが、
大きな違いですよね。
まず、①の「打ち消し」は、未然形接続・打ち消しの助動詞「ず」の連体形
次に、②の「完了」は、連用形接続・完了の助動詞「ぬ」の終止形
です。
さて、解説です!
と、考えます。
もっと細かいことを言うと・・・
これって、
助動詞の前にくる動詞が何形かもわからなきゃいけないし、
後ろにくる助動詞の意味が何なのかも知らないといけないですよね。
そうです!
古典文法を「学ぶ理由」は、この大きな違い(から小さな違いまで)を確実に読み解くためなんですね!
古典文法を学びやすい参考書も紹介しておきます!
初学者向け(簡単)
中級者向け
古典文法を学び終われば古典読解の学習に進みます。
古典読解のオススメ参考書も紹介しておきます!
初学者向け
中級者向け
続いて参考書学習における注意点!
正しい使い方と
陥りやすい間違った使用法
について紹介していきます!
まずは、この問題を解いてください。
次の文章の( )内の助動詞の意味を答えなさい。
長恨歌の御絵、亭子院の描か ①(せ) 給ひて、
伊勢・貫之に詠ま ②(せ) 給へる。 (源氏物語)
さて、答えは決まりましたか?
①尊敬 ②使役
ですね。
<解説>
①は亭子院(=宇多天皇)という偉い人がいます。
偉い人が主語なら90%尊敬です!
②は伊勢(=宇多天皇に使えた女房)と貫之(=紀貫之)という対象がいます。
対象であることは助詞の「に」で判断します。
対象がいるなら90%使役です!
と、このように、古典文法をシステマチックに
解いていくことができるのですが、
「解ける」だけでは「できる」ようにはなりません!
何故かと言うと、
「背景知識が足りないから」です。
今回は( )で補足しましたが、亭子院や伊勢、貫之が誰か知らなければこの問題は解けませんし、実際の古典の入試問題は読めません。
古典を読むということは、「文学に親しむこと」です。
この人は誰だろう?
この時代はどんなことがあったんだろう?
どうしてこんなに敬語が使われるんだろう?
何をしている場面なんだろう?
どんな人物相関なんだろう?
ということを知っていて、初めて「読める」んです。
古典が「できる」というのは、
「一つの文章から情報を搾り取れる」
ということなんです。
古文の問題集は問題文に視覚的なヒント(注釈)があったり、問題文の下に答えが載っていたり、と間違った勉強法「も」できてしまうんです。
ただ、そんなことは皆さんなさらないと思います。
では、「本当に間違った使用法」とは何かと言うと、
文法の問題を文法の問題として解いて満足する。
という使用法です。
時代を考えない。
主語や目的ごとの相関を考えない。
背景知識を吸収しようとしない。
訳さない。
という使用法で使ってしまうと、
古典長文が読めない!
となってしまうんです。
大学入試で文法問題を問うことはほとんどありません。
問うことはありませんが、文法ができないと読めないのも事実です。
文法を知って上で、
どんな訳になるのか。
なぜそうしたのか。
どんな心情なのか。
を問う問題が出てきます。
古典が「読め」ないと、ある程度からは解けないようになっているんです。
次回は「古典全文を訳せないといけないか」という塾生の質問に答えます!
お楽しみに!