こんにちは!
あざみ野・新百合ヶ丘・たまプラーザの学習塾/予備校のMySTEP(マイステップ)です!
この春、他塾に通っている保護者の方や、小中学生の保護者の方から様々なご質問を頂いています。
その中の半数以上が、「どうすれば成績があがるのか」というご質問です。
そこで今回は、入塾からわずか9か月で、9科目の内申を「27(オール3)」から「40(5が4つで他が4)」まで上昇させた中学3年のSさんの事例を活用しながら、「どうすれば成績が上がるのか」をお伝えします。
塾に通っていない方も是非、参考にしてみてください!
※成績UPの為には「メンタル」「勉強法」「学習環境」この3つを改善しなくてはならないのですが、現状の問題点や解決策は一人ひとり異なります。ここからお伝えする対策はあくまでもSさんに対しての取り組みですので、ご注意ください。
入塾初期
Sさんは、中学3年生の春に大手個別塾から入塾してきました。
もともと勉強が嫌いで、今までは「塾に通わされている」ような状態だったSさん。
中学1年生の時から様々な塾を渡り歩き、中学3年生の時に当塾にやってきました。
その時も半ば強制的に連れてこられたようで、面談中も目も合わせてくれないような状態・・・
そしてお母様は、塾に対する不信感も強く、
「今まで通っていた塾の面談では、○○できる、○○できるようになる、など希望を抱かせるのに、結果が出ない。しかも結果の出なかった原因と対策が提示されなかった・・・」
と不安に感じているご様子でした。
その後、入塾することが決まり、授業が始まります。
入塾時のカウンセリングで、Sさんの学習状況に関しての分析はある程度できていましたが、授業を通して、より詳細な分析を実施していきました。
※成績を上げるためにはこの「分析」が一番大事です。「なぜ成績が上がらないのか」を初期段階でしっかりと把握しなければ、有効な対策が実施できないからです。分析は「メンタル」「勉強法」「学習環境」の3つの要素ごとに行うのですが、分析する際の詳しい実施方法や注意点やなどはまたブログでお伝えします!
そこでわかったのは、まずSさん自身は、勉強がそこまで嫌いではないこと、そして成績をあげたいとも思っている事でした。
ただ、日頃の勉強習慣が身に付いておらず、塾では真面目に勉強するものの、家ではスマートフォンを触る、寝るなど、塾以外の場で勉強することが出来ませんでした。
また、普段の勉強のやり方についても課題が多くある状態でした。
例えば、授業の前日か当日に慌てて宿題を行い、丸付けや解き直しがきちんとできていない状態で授業を受けていました。
そのため、授業中では宿題の丸付けや解き直しに時間を使ってしまい、なかなか次の単元に進めることが出来ませんでした。
(丸付けや解き直しの重要性については過去記事をご覧ください。)
また、たとえ時間があったとしても、解き直しをする重要性を理解しておらず、ただ解いただけの演習になっていることが多くありました。
幸い、塾の授業を「わかりやすい」と言ってもらえていたので、少しずつ勉強に対する意欲が湧いてきたのは感じていました。
しかし、塾の授業がわかりやすいのは当たり前のことです。
大切なのは、塾以外の時間でどうやって「正しい勉強法」で積極的に勉強してもらうかということです。
どんなに塾の授業が分かりやすくても、学習習慣が変わらなかったり、テストの点数や成績が上がらなかったりすれば、塾に通っている意味はありません。
他塾に通われている保護者の方から「塾に通っているのにどうして成績が上がらないのか」というご質問をいただきます。
その方々によくよく話を聞いてみると、
・塾以外で勉強時間を確保できていない
・スマートフォンやテレビYouTubeなどの制限時間が決まっておらず自由に使えてしまう
・目標等がなく何のために勉強しているのか生徒自身が分かっていない
など、「学習環境」や「メンタル」に問題を抱えていることが多々あります。
そうした「環境」や「メンタル」は、そう簡単に改善できるものではありません。
生徒本人だけ、周りの大人だけが頑張っても改善はしません。
大切なのは、生徒本人、そして家族などの大人がチームとなって受験と言う1つの目標に向かって歩き出すことです。
「塾に通っていれば大丈夫」「この課題をやっていれば成績が上がる」などの保証は絶対に存在しません。
我々は、そうしたチーム作りや環境作りこそが塾の大切な役割だと考えています。
ということで、まずはSさんには塾以外の時間での勉強をしっかりやってもらうことを目標に指導を進めてきました。
まず初めに、「正しい宿題のやり方」をSさん自身に伝えました。
宿題をまとめて実施してしまうことのデメリット、日割りで行えるような学習計画の立て方、宿題の量は同じでも学習効果が高い分割方法、丸付けをするタイミング、ノートの書き方、解き直しの必要性・・・などなど、その他にもたくさんの内容を伝え、実施できるかどうかを試しました。
その中で、少しずつ改善できた点はありましたが、なかなか実施してもらえないものもありました。
その中でも特に実施してもらうのが難しかったのは、「解き直し」でした。
Sさんの学習状況を考えると、現状での解き直しは絶対必要だと判断しましたが、解き直しの必要性、重要性をSさんに伝え、心の底から納得してもらうことができていなかったのです。
そこで、Sさんに再度カウンセリングを実施すると、Sさんとしては、「一度理解した問題なのだから解き直す必要は無い」という考えを持っていることが分かりました。
「口数は少ないけれど、納得しないと行動しない」という性格のSさん。
そんなSさんに対して、解き直しの重要性・必要性を色々な角度から伝えてみたのですが、力及ばず納得させることができませんでした・・・。
そこで、「論より証拠」ということで、「実感させる」手法に切り替えました。
具体的には、
「自分では理解したと思っていても理解できていないこと」
「理解するだけでなく、知識や解法を自分の中に吸収させないと、初見問題に太刀打ちできないこと」
「そのためには解き直しをして、理解不足の箇所をあぶり出し、知識や解法を定着させる必要があること」
を実感してもらうため、Sさんが間違えた問題(知識・解法)と同じような類題を何度も解かせて、間違えさせた後、上記のポイントを強調しながら何度も解説を繰り返していきました。
すると、少しずつですが、以前よりも解き直しの実施率が高まり、正答率もあがっていきました。
しかし・・・
まだまだ、解き直しも含め、理解、暗記、演習の場面ごとに、甘さ、修正点がある状態だったため、我々としては「もう一段階上のステージにSさんを導いていきたい」と思いながら、次の一手を模索していくなかで、「メンタル改善」を本格的に実施していくことになります。
このように「解き直し」という単純な学習手順のひとつにおいても、しっかりと納得してからやってもらうという事は勉強において重要なことです。
例えば「丸付けをする」「数学の計算で途中式を書く」そしてこの「解き直し」もそうですが、生徒たち本人の中には、その細かい作業がめんどくさくて勉強が嫌いになるという人もいます。
しかし、そのめんどくさい作業こそが成績を上げるための大事なポイントであり、そこを省略するということが成績を下げてしまう原因になっているのです。
この細かい作業をやってもらうために大切にしているのは、生徒に合わせた方法で指導する事です。
生徒一人一人が考えていること、性格、環境は異なります。その一つ一つ異なる点を分析し、その生徒に1番合った方法で伝えたり、実行させたりすること。
それを考えるのが私たちの役割だと思っています。
例えば、「丸付けの後に解き直しをしよう」という指示を出したとします。
すぐに実行してくれるのは、真面目で素直な子が多いです。
一見、真面目で素直な子は、勉強の課題を修正しやすく、成績も上がりやすいため何も問題が無いと思われがちですが、落とし穴も存在します。
それは、素直な反面、出されたアドバイスに対して、「本当に自分に合っているのかどうか」「この指示は何のために行うのか」「違うやり方ではいけないのか」などを自分の頭で考えず、ただ従っているだけの受け身な姿勢での勉強になってしまう場合です。
受け身な姿勢での勉強では、ある程度のところで成績上昇が止まってしまい、最終的に80点、90点以上をコンスタントに獲得するのは難しい場合が多いです。
そのため、こうした性格の生徒には、目的を伝えて指示を出し、その目的を理解した上で実施してもらいます。
また次に指示を出すときには、「なぜやってもらうのか」ということを考えさせ、言葉にしながら、考える癖をつけるという指導を行っています。
反対に実行しない子は、純粋に「面倒くさい」という子もいますが、勉強に対するこだわりが強い子が多いです。
こだわりが強い子にとっては、「自分のやり方が1番正しい」という自信があるので、それを頭から否定してしまうと傷ついてしまったり、やる気がなくなってしまったりする可能性があります。
そのため、小テストや過去問演習などであえて失敗させることによって、「自分の正しいと思っている方法が間違っているかもしれない」「丸つけをした方が自分は成績が上がるかもしれない」といった、「必要性を実感させる方法」で対応します。これがまさにSさんで実施した作戦です。
※結果としてこちらが最初に提示した勉強法と真逆のやり方をしていくこととなる場合があります。我々が考えるその生徒に合った勉強法が必ずしも正しいとは言えないからです。その為、提示した勉強法を実施してもらい、性格的、学力的に合っていないと判断した場合は別の勉強法を試してもらい、何が最適かを常に考えることが大切です。
上記、2つのケースは「Aという指示をAとして認識してくれる生徒」ですが、生徒の中には「Aという指示をBととらえる生徒」もいます。
こういった場合は、指示の語彙レベルを生徒に合わせて、もう一度指示を出し直したり、「自分が今何をしなければならないのか」ということを順序立てて説明し、その内容を復唱させながら、指示が本当に伝わったのかを確認し、実行した後も再度確認するといった指導を行っていきます。
このように、生徒一人ひとりに対しての「伝え方や実行のさせ方」は大きく異なります。
同じやり方で成功すると言う事は絶対にあり得ません。
成績の良い子の勉強法を真似したからといって、必ずしも成績が上がるとは限りません。
友達が塾に通って成績が上がったからといって、その塾に通えば必ず成績が上がるということもあり得ません。
大事なのは、その生徒の性格、環境、学習状況にあった学習方法を見つけ、実施し、うまくいかなければ修正をする、そしてまた実行するというサイクルを何度も何度も繰り返すことです。
このサイクルが機能しなければ、成績は上がりません。
また、成績上位層は絶対に自分に満足することはありません。
今の自分に足りない部分は何なのか、もっとできることはないか、ということを日常的に考え、行き詰まった時は周りの大人に相談し、そして修正をしていく。
こうした意識が成績アップ、志望校合格につながります。
そして、この意識をSさんにも持ってもらうために、この時期から何度も面談を繰り返しました。
入塾から数か月、Sさんとの信頼関係を築き上げることができ、勉強に対してもある程度手ごたえを感じ始めてくれた、この時期だからこそできる面談です。
面談でSさんに話したのは、「自分がどうなりたいか」ということです。
志望校がどこで、そのために内申をいくつ取り、テストで何点をとりたいのかという目標を明確にして、そのために何をすればよいのかを話し合いました。
Sさんの中で「こうなりたい」という理想像はあるものの、その理想を達成する覚悟ができていない(行動に移せない)様子でした。
例えば、宿題で完璧に解き直しを行うこと、宿題の量を増やすこと、塾の自習に来る時間を増やすこと、スマートフォンの使用時間を制限することなど、目標達成に必要な学習量と質を提案し、どうしたら実行できるのかを一緒に考えましたが、Sさんは「まだ遊びたい」「どうしてそこまでしなくてはならないのか」という気持ちとの折り合いがつけられていない状態でした。
中学3年生になりたての時期で、受験生としての自覚を持てている生徒は多くありません。
Sさんの状態はよくあること、誰もが悩むことではありますが、この気持ちのまま定期テストを迎えるのは危険な状態でもありました。
ですが、気持ちを変えるということは、一日や二日話したくらいでは難しいものです。
何度も面談、話し合いを重ね、生徒自身が自分がいま置かれている状況を自覚する機会を作っていかなくてはなりません。
しかし、気持ちが変わるのをただ待っているだけでは受験に間に合わなくなってしまいます。
そのため、気持ちが変わるのを待つだけではなく、システムを変えて、Sさんが実行せざるを得ない状況を作ることにしました。
まず、Sさんに出す宿題は塾にしか置いていないテキストを使用し、「塾に自習に来ないと宿題ができない」というシステムにしました。
また、間違えた問題の解き直しに関しては、次の宿題内容を「間違えた問題の解き直し」とし、解き直しをしないと宿題が終わらないという状況を作りました。
幸い、Sさんは「宿題はやらなければならない」という意識はあったため、少しずつ今までできなかったことにチャレンジしてくれるようになっていきました。
それでもまだ「やらされている状態」で気持ちまでは変えられてい状態であったため、肝心なところで踏ん張れないという状況が続いていました。
しかし!
あることをきっかけに、Sさんの「気持ち」が劇的に変化します!
それは、「テストの点数アップ」でした。
入塾前の時点で40点台だった数学が、3年前期で80点台までアップしたのです。
Aさんにとって、この点数は夢のような結果であり、本当に自分のテストなのかと疑ってしまうほど驚いたそうです。
この出来事によって、Sさんの中で「数学を得意科目にしたい」という気持ちが芽生え、この直後から「どうしたら数学の点数をもっと上げられるのか」「もっと宿題を出してほしい」「もっと難しい問題にチャレンジしたい」など、多くの提案をしてくれるようになりました。
また、塾から帰るなり保護者の方に「もっと勉強を頑張りたい」「明日から6時に起きて勉強する」「スマホの時間を制限したほうがいいかな」などと気持ちを言葉にする機会も増えていったそうです。
この時点では、すべてを行動に移すことはできていませんでしたが、以前の「やらされている状態」からすれば劇的な成長でした。こうして数学の点数アップによって、Aさんのいわゆる「やる気スイッチ」が入れられたのです。
こうした、一つの成功体験がきっかけとなって、生徒の気持ちが別人のように変化するというのは、受験期にはよくあることです。
最初からすべてを無理やり変えようとしても、生徒自身の負担が大きくなるばかりで上手くはいきません。
まずは、小さなことでも構わないので、何か一つ「頑張った」結果、「成功した」という体験が生徒自身の「もっと頑張りたい」と思えるきっかけを作ります。
Sさんの場合も、まずは一科目の点数アップから、ということで保護者の方とも連携をとり、指導にあたってきました。
特にSさんの場合は、何度も塾を替えてきた、自分なりに頑張ったけど上手くいかなかった、という負の経験があったため、今回も「どうせ上手くいかない」と自信を失っている状態でした。
そのような中での成功体験であったため、「頑張ったら上手くいくんだ」という自信につながったのだと思います。
こうして「気持ち」を変えてくれたSさん。
ここから、本格的な改革を始めていくこととなります。
その改革とは、「完全管理の5科目対応コース」への移行です。
Sさんは、このコース以降後の定期テストで、
英語は60点台から最高83点、数学は40点台から最高83点、国語は60点台から最高85点、理科は60点台から最高77点、社会は40点台から最高77点までに点数アップ。副科目でも8割以上の点数を獲得しました。
また内申は、2年後期27→3年前期38→3年後期40と、大幅アップを達成しました。
以上、
【入塾から9か月】9科目の内申を27から40まで上昇させた中3生Sさんの成長記録
(前編)でした!
5科目対応コースへ移行後のSさんの詳しい様子については現在、後編記事で準備中です。
後編もお楽しみに!